【人にやさしい地球にやさしい水系塗料】

人にやさしい地球にやさしい水系塗料

塗装の現場で起こった恐ろしい出来事が、今でも昨日の事のように思い出されます。
塗装工事に入った3日目の夜中に、電話のベルで起こされました。受話器の向こうで叫んでいるのは、工事中のお宅のご主人の声です。何やら奥様が倒れたと、大きな声で怒っておられるんです。

急いで駆けつけると、サイレンと同時に救急車が到着したところでした。有機溶剤のペンキを塗ったために、ガス中毒を起こしてしまったのです。工事のために家の周りをビニールで覆ってあったために、酸欠症状も同時に起きていました。幸い発見が速かったので、事なきを得ましたが、もし奥様が一人で誰もそばにいなければ、大変な事になっていたかも分かりません。

今お話しした、ガス中毒事件は、25年前に本当にあったお話しです。まだ、シックハウスなどといった言葉もない時代でしたが、まさしく塗装が原因で、急性の有毒ガス中毒にかかってしまわれたのです。

この事件以来、私は塗装の材料を慎重に吟味するようになりました。塗料は、昔はシンナーで薄めて使う溶剤系塗料がほとんどでした。臭いもキツく吸い込むと中毒を起こしてしまいます。何とか人の健康を損なう事のない塗料がないものかと、世界中の塗料を調べつくしました。

そして、シンナーを全く使わない水系の塗料に出会ったのです。作っていたのはオーストラリアの塗料メーカーでした。使ってみると、あの塗料独特の臭いも全くありません。「性能が落ちるのでは」の懸念も全くの取り越し苦労でした。他の溶剤系塗料よりも、丈夫で長持ちすることが分かったのです。

私はいっぺんでこの塗料に惚れ込んでしまいました。今は国産でも、シンナーを使わない水系の塗料が出て来ています。道路や橋を塗るのと違って、人が住む家の塗装には、安全で、人と地球にやさしい水系の塗料を使っていこうと決心しました。

IMG_1129
IMG_1731